結核性腹膜炎(tuberculous peritonitis)は結核分枝菌が原因で起きる慢性の拡散性腹膜炎です。この病気の病理解剖学的特徴に基づいて、滲出型、癒着型、乾酪型の3型に分類されますが、特に前两者が多いです。主な症状は発熱、盗汗、腹痛、腹水、腹囲の硬結、下痢があり、中医では「腹痛」「積聚」などに分類されます。中国では、解放初期に比べて患者率は明らかに減少しましたが、まだ少なくありません。この病気はどの年齢層でも見られますが、特に中青年が多く、女性が多いです。特に生育期の女性では、女性生殖器結核との関連が考えられ、男女比は約1:2です。
この病気は結核分枝菌が腹膜に感染して引き起こされ、約80%の患者が肺結核や体内の他の部位の結核病変が原因です。結核分枝菌が腹膜に感染する経路は、腹腔内の結核病変から直接拡散することが主であり、腸系膜リンパ節結核、卵管結核、結腸結核などが一般的な原発病変です。少数の症例では血行拡散が原因で、活動性肺結核(原発感染や粟粒性肺結核)、関節、骨、睾丸結核が見られ、結核性多浆膜炎、結核性脳膜炎などが伴うことがあります。
この病気の治療の鍵は、早期に適切で十分な期間の抗結核化学療法を提供することで、早期回復、再発を防ぎ、合併症を避ける目的です。休息と栄養を心がけ、全身の状態を調整し、抗病力を高めることは重要な補助治療措置です。結核性腹膜炎は休息と抗結核治療で満足のいく効果を得ることができますが、重篤な合併症があります。特に重症の肺結核や粟粒性結核が結核性脳膜炎と合併した場合の患者は、予後が悪いです。
肺、腸、腸系膜リンパ節、卵管など結核の早期診断と積極的な治療は、この病気を予防する重要な措置です。