直肠脱垂は、直肠粘膜、肛門、直肠全層および一部の乙状結腸が肛門外に向かって下がり、脱出する病気です。どんな年齢層でも発病することができますが、特に幼児、老年、長期の病気で体力が弱い人、身長が低く痩せた人に多いです。この病気の特徴は、直肠粘膜および直肠が肛門外に繰り返し脱出し、肛門が弛緩していることです。
直肠脱垂は部分性と完全性の二種類に分かれ、手術が必要かどうか、どのような術式が適しているかは患者を検査した後に決定します。
直肠脱垂は部分性と完全性の二種類に分かれ、手術が必要かどうか、どのような術式が適しているかは患者を検査した後に決定します。
1、部分脱垂:
脱出部は直肠下端の粘膜のみであり、粘膜脱垂とも呼ばれます。脱出長さは2cmから3cmで、一般的には7cmを超えません。粘膜皺は放射状に並び、脱垂部は二層の粘膜組織で構成されています。環状内痔と区別する必要があり、環状内痔が脱垂すると、腫脹した痔が梅の花のように見え、出血しやすくなります。直肠指検では括約筋が強く収縮しますが、直肠脱垂では括約筋が弛緩します。
2、完全脱垂:
成人の直肠粘膜の部分脱垂を治療する際には硬化剤注射療法が用いられ、完全な直肠脱垂では手術療法が主となります。
①注射療法:
硬化剤を脱垂部位の粘膜下層に注射し、粘膜と筋層に無菌性炎症を引き起こし、粘着力を生じさせ固定します。
②手術療法:
手術方法は多く、主な術式には直肠懸垂固定術、脱垂腸管切除術、肛門縫合縮小術があります。