腱鞘炎は腱鞘が機械的な摩擦によって引き起こされる慢性の無菌性炎症変化です。腱鞘炎は骨科学のよくある病気であり、特に手作業を行う労働者、特に指を繰り返し伸ばし、曲げ、つまむ、握る操作を行う人に多く見られます。一般的に、女性は男性よりも多いです。
腱鞘は筋腱を補助する装置の一種であり、筋腱の滑動に適応するために筋腱周囲の結合組織が分化して形成された筋腱を囲む二層の鞘状構造です。腕、踵、指、趾など腱が長く動きが多い部位に多く見られます。腱鞘は二層に分かれており、外側は繊維性腱鞘で、深筋膜の横行、斜行繊維が肥厚して骨及び関節嚢に付着し、筋腱に制約、支持、滑車、および引張力の強化の作用を果たします。内側は滑膜性腱鞘で、繊維性腱鞘内に位置しています。滑膜鞘はさらに内層と外層に分かれており、外層は繊維性腱鞘の内面に衬し、骨面に折り目を形成する部分を腱繊維膜と呼び、筋腱の表面を囲む一層が内層です。内層と外層の滑膜は両端が閉じた盲腸となり、少量の滑液を含み、潤滑と筋腱の動きを保つ役割を果たします。