生理的な状況では、盲腸の各面は腹膜で覆われていますが、5%の人では盲腸の上端の背面に腹膜が覆われていないことがあり、系膜も発達していません。したがって、ある程度の動きがありますが、その動き範囲は6cmを超えるべきではありません。しかし、胚胎形成中に右側の大腸系膜と側腹膜が融合しなかった場合、盲腸と昇腸の動きが大幅に強化され、正常な右下の解剖学的位置にいても異常な動きによって捻轉や移位が発生し、時には中線を越えて左側に至り、部分性腸閉塞の一連の症状が引き起こされます。これを活動盲腸綜合症(hyperkinetic cecum syndrome)と呼びます。